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お客様が途中であきらめた式を
チームで創り上げた今回、ベストブライダルアワードで準グランプリを受賞した式は、チームで創り上げたウエディングでした。
今回の式は、新郎新婦様が「ある物語」をテーマに結婚式を行いたいとおっしゃっていました。しかし、打ち合わせを重ねていく中で、お二人から<コーディネートや進行のイメージが湧かないのでテーマを諦めようと思います>と突然告げられたのです。
結婚式は、これまでの人生で出会った人が一同に会する特別な一日。新郎新婦にとっては、そのことがプレッシャーになることもあります。
「結婚式を創り上げるには、新郎新婦様の想いがとても大切です。でも、その思いをかなえるために重要なのは、私たちプロデューサーを中心としたチームです。」
高橋も、お客様からの<諦める>という言葉を聞き、お客様が一度でもやりたいと思ったことを、簡単に諦めさせてはいけないと考えました。そして、お二人のイメージや夢をかなえるために、チームで一丸となりアイディアを出す日々が始まったのです。
「コーディネートや進行、ケーキやペーパーアイテム、BGMやドレス、披露宴に関わる物全てをチーム全員で一緒に考え、とことんテーマを追求しました。その結果、唯一無二の結婚式を創り上げることができたのです。」
お客様の言葉を受けても、チーム全員が、だれ一人として諦めませんでした。
むしろお客様の言葉は、“絶対にお客様の夢を叶えたい”という、スタッフ全員の目標となり、チームがまとまるきっかけになったのです。「まさにチームの力を感じる式当日になりました。式の中の演出として、スタッフだけでなく、お客様も巻き込んだシーンも取り入れたことで会場全体の空間にも一体感が生まれ、最高の空間となりました。」
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チーム全員が心から楽しむことで
LOVEの連鎖がうまれる高橋が、仕事をするうえで大切にしていることは、「楽しむ」ということです。
「私は、昔から人を楽しませたり、サプライズをしたりすることが大好きでした。だからこそ、人と関わる仕事に就きたいと考えていました。大切だったのは、“楽しい”を仕事にするということです。」
実は、高橋は、最初からウエディングプロデューサーとして働いていたわけではありません。働きはじめは、ご新郎新婦様の先導などを行うサービスキャプテンを担っていました。
「当時は、一番近くで、ご新郎新婦様の笑顔を見ることができ、そういう瞬時にやりがいを感じていました。でも、そのような日々の中で、お打ち合わせから当日までを一緒に過ごすことが出来たら、どれだけ楽しくて幸せなのだろうという気持ちが芽生えたのです。」
その気持ちを大切にして、ウエディングプロデューサーに転身することに。
そうしてはじまった、プロデューサーとしての日々は、「楽しくて楽しくて、しかたがないです」と高橋は語ります。「結婚式で大切なのは、スタッフ自身が心から楽しむことだと、今考えています。まず、私が楽しむ。お客様やゲストの皆様を楽しませるにはどうしたらいいだろうと、私自身が楽しみながら考えていると、チームの中にその楽しさが伝わっていきます。そうすることでLOVEの連鎖が起こり、最終的にはお客様へ最高のLOVEを届けることにつながる気がするのです。」
まるで、そこには、人を楽しませることが大好きだった、幼いころの高橋がいるかのよう。
「毎日ワクワクが止まらないのです。大変な事や辛い事も沢山ありますが、こんなにも楽しくて、やりがいのある仕事は他にはない!と思えるほど最高で最幸(さいこう)の仕事だと思っています。共に働くチームのみんなから、“楽しかった”の一言がもらえると、本当にやりがいを感じます。」
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結婚式は
人と人をつなぐ魔法高橋がこれまで担当してきた中で、印象的だったお客様がいます。
「そのお客様と、お打ち合わせを進めていく中で、ご新郎様が小さい頃にお兄様と些細なことで喧嘩をしまったということを伺いました。その喧嘩から十数年が経った今でも、その関係が変わらずに、ご新郎様が実家に帰っても二人は一言も会話を交わさないため、家族や親族の皆様が悲しい想いを抱えているということを知りました。」
仲直りのきっかけを失ってしまったご兄弟の二人に、なんとか仲直りしてほしいと感じた高橋は、その日から準備に奮闘していきます。
ご本人たちの気持ち、その二人を取り囲む家族の気持ち。
本当は想いあっているのに、家族という形の中で、お互いにそれが届かないことがあります。家族とは日々の積み重ねで作られていくものです。繰り返される日常の中で、家族としてのそれぞれの役割や想いが強固になり、それが絆になり、安定していくと考えています。
そんな日々のなかで、何か一つボタンを掛け違ったとき、すぎていく日常の中では、それを直せないこともあるのです。ご新郎様の中に、どうしても話せない気持ちがあることを知った高橋は、その気持ちをお手紙にしませんかと提案しました。
そして、中座の際に読まれた家族へのお手紙。
「中座の際に、まずはお母様のみお呼び出しをし、ご新郎様から手紙をお読み頂きました。まず、そのお手紙の中で、お兄様との些細な事で喧嘩をしてしまい、家族を悲しませてしまったことを謝ったのです。そして、誰もがここでお兄様にお手紙を読もうとは考えもしなかった所で、お兄様に前に来ていただいて、お兄様へお手紙の朗読を行いました。
会場内はどよめき、ご新郎様もご親族様もみんな号泣していらっしゃいました。
そして、お手紙を読み終えた後、ご兄弟のお二人は、固い握手を交わしたのです。」結婚式という特別な一日だからこそできた、演出でした。
特別な一日が、日常の中では表現できない気持ちを、伝えるきかっけになったのです。
日常で伝えられないLOVEを結婚式では届けることができるのです。「涙を流しながら喜ぶ皆様の姿が今でも忘れられません。忘れられない結婚式は数えきれないほどあります。その中でも、このご披露宴はとても印象深く、結婚式は人と人を繋ぐ最高の魔法だということを実感した一日でした。」
結婚式のお打合せをしていく中で、新郎新婦様ご自身が気づいていない気持ちに気づくことがあります。その目に見えない部分を、引き出すのもプロデューサーとして大切なことです。
「目に見えないものもくみ取れる人でいたいと考えています。ご新郎ご新婦様が言葉にできない、形にできない想いを引き出すことで、最高の結婚式を創る。それが出来てはじめて、トータルプロデュースと言えるのではないでしょうか。」
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LOVE is チーム力
最高のチームで最幸のウエディングを最高の結婚式は、最高のチームがあってこそ成り立つもの。
高橋は、ご新郎ご新婦様はもちろんのこと、その二人を支えるすべてのスタッフを大切にしています。「結婚式に関わるすべてのスタッフを大切に想っています。だれかが一人欠けるだけで、最高の瞬間が作られなくなります。全員が楽しみ、想いあうことで、たくさんのLOVEが生まれ、最幸の瞬間に繋がっていくのです。」
高橋の「この仕事が楽しくて仕方がない」という気持ちが、溢れたインタビューになりました。そして、その楽しさが、周りを巻き込み、彼女の周りには唯一無二のチームができているのでした。